精神医療
今週末は、外傷的育ちという概念を日本に導入し、その普及と治療に尽力されている崔先生の講演を聞いてきた。 メンタライゼーションでガイドする外傷的育ちの克服 作者: 崔炯仁 出版社/メーカー: 星和書店 発売日: 2016/11/24 メディア: 単行本(ソフトカバ…
精神科医・心理士は、心理的な介入を行う時、そのクライエントの状況を客観的に解釈しないといけないし、クライエントも自分の状況を知らないものとして説明的に精神科医に訴えないといけない。これは「診察」というものの前提となっている。 カウンセリング…
こんばんは。 本日、日本精神神経学会の精神科専門医 合格通知が来ました。 専門医とるのって、かーなーりめんどくさいのです。 3年間病院をいろいろと回り、必要とする症例を わけてくださいと先輩にお願いし、症例を50個記載して、レポートを10本出して、…
ブログの更新が滞っていてすみません。 この休日2日間はGoogleが社内で始めたマインドフルネストレーニングカリキュラムである、Search Inside Yourself (SIY) プログラムに参加してきました。 2年前に現病院に赴任してから、マインドフルネスというものに出…
夏休みの終わり、九州から変える際に飛行機が欠航してしまったため、やむなく乗り慣れない新幹線にのるときの出来事。 飛行機以外はオンライン予約システムを使っていない僕は(圧倒的に陸路を使う機会が少ないため)、自由席座席を確保するため、乗る15分ほ…
正直、若い頃は、大学でアカデミアで残って、教授になる、っていうのが自分にとっての一番良い人生だと思っていた。 でも、最近は、アカデミアに残って“偉く”なることだけが自分の人生の物差しとして大切なわけではないと思ってきた。 もちろん、教授も、研…
近所に本格的なフレンチのお店ができ、そこに通うとワインの話がでる。 うちの教授もワイン好きだし、一度しっかり勉強してみようと、ワイン関連の書籍を読んでいる。読むからにはちゃんと覚えようと、ノート作りなんかもしている。受験勉強以来の久々のまと…
外来をしていると、結構「しごとをやめたい」という人がいる。 先日の外来でも、数人連続でそれを言われたことがあった。 「うつ」として加療されている患者さんが、こんなことをいう。 会社の評判が悪く、生活の中で、「あの会社に勤めるなんて」と誹謗中傷…
専門医のレポートが一息つきそうで少し気持ちを緩めていたのもつかの間、次は指定医のレポートや、東京の箱探しや、色々な仕事が詰まっている。頭を整理するブログが滞ると、きぶんも滞ってしまっていた。また書き始めよう。 この2ー3週間ほどは病院にほぼ泊…
専門医レポートを書いている。正直、厳しい。綺麗な、典型的な症例、というのが少ないからだ。 ときに「典型的な統合失調症」とか、「典型的なうつ病」という発言をするけど、この言葉を使う裏には、「純粋、典型的な症例は本当に少ない」から、大切にしたい…
当院は医局人事によって回されている地方病院ですが、ここ数年はかなり波乱万丈の人事で、毎年トップが変わり、ついに4月からは自分が一番古株になる精神科となります。(上級医は非常勤でちゃんといる) 地域との折衝などもある程度担う一方で、「動くなら…
ご無沙汰しています。一度ブログを書かなくなると全然書けなくなっていて、あぁこのままじゃまずいと思ってまたふでを取る次第です。 精神科医は、相談者のの人生や経験を生々しく聴くことが必要なことがあります。 だから、ほかの医師と比して多くの人の「…
お薬やさんに呼ばれて勉強会に行くついでに福岡の旅。 勉強会は精神科関連の政策問題や、今後の方向性についての話。 まぁ、いわゆる出てこれない系の精神科病院がどんどん潰れていくよ。という内容でした。 福岡は遊びの多い国だそうだが、そういう事とは無…
ジュリエットというカシスのジュース。 ニュージーランドの強い紫外線を受けたカシスの濃厚な味。 ここのバーではいろんなことを教えてくれる。 ピートの地域差、ピーティーという言葉の誤用、花開くシングルモルト、グラスの振り方。 寛げるバーを持ってお…
国際学会(もどき)から帰って3日。 臨床に戻ると、また平常運転。 自傷のオンパレードの入院患者がエスカレートして、説得して鎮静かけるとか 焼肉食べ放題中に患者が暴れて呼び出されるとか、 退院させようとしてた患者の妄想が再燃してECTするかとか 本当に…
今日から通常業務をお休みして、若手精神科医の会という団体の会議に参加しています。 外国人や日本人の若手精神科医が集まり、国際学会の練習という合宿です。 この会のドンは、世界でフロイトの次に有名な精神科医(と言われている)のおじさんで、WHOや世…
外来にはたくさん、ASDと呼ばれている人たちが来る。 みんなそれぞれに、いろんな悩みがある。 自分の思う正義にこだわりすぎて、もうちょっと「ゆるい正義」に合わせられないタイプの人 例えば、お店で遠くの賞味期限の商品は日にち順に並べなくても良いと…
MI-3 まとめ 第1部 MIとは何か 変化についての会話 動機付け面接のスピリット 動機付け面接の方法 MIの技法とスピリットには、歌詞と曲のような関係があり、根底のスピリットを理解しないと皮相なトリックとなってしまう。言葉のゲームにならないようにしな…
動機付け面接(motivational interviewing : MI) は、ミラーとロルニックによって創生された面接スタイルである。 変化への動機と、変化への抵抗を理解し、そのバランスを変化させながら好ましい行動へと変化させていく来談者中心面接技法である。 エビデン…
いままで外傷系の内容をいくつか書いてきた。低自尊心病、あだるとちるどれん、外傷的育ちなど、自尊心の低い状態によって出てくる状態をいくらか紹介した。 結局、自尊心は何が材料でできているのだろうか。 自分が人より出来ること?いや違う。自分が人よ…
さいきん研修医がたくさん回ってきているので、レクチャーをする機会が増えています。 僕はお薬講義と動機付け面接を担当しています。 看護師さんやコメディカルも含めてお話ししてて、スタッフの理解度もなんとなく分かるわけです。 お薬講義の最初に必ず聴…
医者の世界は、エビデンスがものをいう。 だから、主観を述べにくい。 統計的なエビデンスがなければ信頼されない、 エビデンスにない事ばかりを言えばヤブ医者だ。 そんな時、GABAのチョコとか、グルコサミンとか、コラーゲンとか、プラセンタとか、 そうい…
いい人は、成功しない。統計をみるとそう感じられる。 親切さと有能さは反比例するように感じられる。これは実際に印象として逆相関することが研究上で明らかになっている。悪は善より強く、悪い親や悪いフィードバックはより強くその人の人生や印象へ影響を…
人が「成功する」ためにはどう言う素質が必要か。これは時に誤解されやすいテーマである。 成功者は、得てして変人である。僕は将来成功していくであろう変人を中高でたくさん見て、僕もこんな変人になりたい、と思っていたものの、なかなかそうなれず、凡人…
2019年2月新年から1ヶ月が過ぎた。振り返り。【お仕事】・所属NPOの総会が近いため、夜遅くまでのミーティングが多い。それも後、半月で一旦区切り。・それが終われば、地域での講演、製薬会社の講演などをいくつか作成して3月を迎える。・同時に専門医、指…
大阪大学の森先生の講演内容をだーっとまとめた。 久山町コホートスタディ 連続剖検で28.8%に病理所見がある しかし、IkejimaC et al psychogeriatrics 2012 臨床診断では多くて10%程度。underdiagnosisになっている。 中核的、指標的な診断基準は対病理基…
マーフィーの法則のような人生。 今日は外来を空き空きにして、楽して書類でも書こうと思っていたのに、きのうから怒涛のように調子の悪い人の診察が舞い込む。心理士のカウンセリング前において一声かけるだけだったはずの人まで大荒れしている。そして一枚…
今日は都会まで出てきて、お偉いさんから画像のお話を賜る。 脳画像というと、「脳みその輪切り」の画像を考えるかもしれないが、実は輪切りで「形」をみているだけではわからないことがたくさんだ。精神科の病気の統合失調症、うつ病、そういったものも形で…
統合失調症の薬には、時に統合失調症の症状を一過的に悪くするものがあって、特に切り替えをした瞬間にぐあっとわるくなることがあるんですよね。そんで、「薬入れたのに再発した件について」みたいな論文を書いてみようと思ったことがあったんですが、何が…
今日はゆったりした日々。外来も少ない。 患者もゆったりしていれば良いけど、そんな日は補完するように、テンションの上がり下がりがひどい。テンション上がると解離しちゃうその患者は、今日はうごけなくなりながら 口ばっかり動く。 「テンションあげあげ…