Psyは投げられた

若手精神科医が有る事無い事色々つぶやきます。

大変な日々を乗り越える力を与えてくれる言葉

国際学会(もどき)から帰って3日。

臨床に戻ると、また平常運転。

自傷のオンパレードの入院患者がエスカレートして、説得して鎮静かけるとか

焼肉食べ放題中に患者が暴れて呼び出されるとか、

退院させようとしてた患者の妄想が再燃してECTするかとか

本当に止めどなく問題が溢れてくる。

 

当直もあまり眠れず、次の日も呼び出され。

でもエナジーは、自分で生み出すものだと思って、今日はやっと落ち着いた夜にジムでバイクを漕いでいる。

 

 

「疲れとは、状態ではない、自己決定だ。」

というのは、prof. Norman Sartoriusが昼食中に我々学会運営陣に語った言葉。

疲れている状態だから何かを諦める、というのは、あくまで諦めるための口実であって、自分が諦めるという決定をしたから疲れていると感じるのだ、と。

本当にしたいこと、面白いと思うことは体調に関わらずするだろうし、できることで元気になるだろうと。

 

 

これを30代のイケイケ実業家が言うなら何だか冷ややかな目を向けながら聞いたかもしれない。しかし、85近くになってまだ世界を年間200日旅し続けて「与え続けている」偉いさんが言うと、重たさが違う。

 

それを聞いた人間は、きっと二分化する。「そうか、頑張ろう」か、「ついていけないわ」か。

僕は昔なら「ついていけないわ」組だったかなぁと思う。ニヒルで、世界をしょうもないと思っていた頃は。

でも、色々な患者とあって、それぞれの苦しみを投影して自分を省みて、そして自分の世界は自分で築き上げないといけないと感じるようになった今。

僕は「そうか、頑張ろう」と感じられるようになった。

 

きっと、彼は僕たちの様子やcommitmentを見て、この言葉に「耐えられる」だろうと思ってくれたのだろう。

 

溢れる問題と解決しきれない苦しさに耐えながら、僕はまた前に進んでいくんだ。

自ら、自分の世界を築き上げるために。