Psyは投げられた

若手精神科医が有る事無い事色々つぶやきます。

新型うつ病

社会的規範を守ろうとする子供と、気にしない母

夏休みの終わり、九州から変える際に飛行機が欠航してしまったため、やむなく乗り慣れない新幹線にのるときの出来事。 飛行機以外はオンライン予約システムを使っていない僕は(圧倒的に陸路を使う機会が少ないため)、自由席座席を確保するため、乗る15分ほ…

現実逃避は無趣味だとできない。

近所に本格的なフレンチのお店ができ、そこに通うとワインの話がでる。 うちの教授もワイン好きだし、一度しっかり勉強してみようと、ワイン関連の書籍を読んでいる。読むからにはちゃんと覚えようと、ノート作りなんかもしている。受験勉強以来の久々のまと…

精神疾患診断の難しさと、典型から離れることの弊害

専門医レポートを書いている。正直、厳しい。綺麗な、典型的な症例、というのが少ないからだ。 ときに「典型的な統合失調症」とか、「典型的なうつ病」という発言をするけど、この言葉を使う裏には、「純粋、典型的な症例は本当に少ない」から、大切にしたい…

自尊心とはなんなのか

いままで外傷系の内容をいくつか書いてきた。低自尊心病、あだるとちるどれん、外傷的育ちなど、自尊心の低い状態によって出てくる状態をいくらか紹介した。 結局、自尊心は何が材料でできているのだろうか。 自分が人より出来ること?いや違う。自分が人よ…

コスプレをしたい気持ちはどこから来るのか

患者にコスプレイヤーがいる。 コスプレをして、どう言った楽しみがあるの?と聞くと 「私可愛い、っていう系の人もいるだろうけど、違うな。私は、変われる気がするから、好き。」 その患者は、やはり自傷を繰り返し、いつでも「死にたい」と言っている外傷…

外傷とは見えない足枷のようで

このブログを自分のフェイスブックに投げるようになってから、「お陰で自己理解ができた」「自分もこの外傷的育ちってやつだと思う」と、コメントやメッセージをいただくことがあります。 自分の苦しみは、自分の力だけでは分からないことが多くて、自分を他…

motiveのある聴衆には講義がしやすい

今日は若手精神科医の関西支部会において動機付け面接のさわりをレクチャーしてきました。 若手精神科医のなやみとして、精神療法をしっかりと学ぶ機会に乏しいことが挙げられます。 みっちりと先輩につくわけでもなく、陪席もなかなか難しい中で、周りの人…

比較;PTSD 複雑性PTSD 外傷的育ち 愛着障害 アダルトチルドレン

これまで、最近の精神医学やその周辺で使われる「外傷性の精神障害」について簡単にまとめてきた。 これらの概念は一つ一つ大切なのだが、難しいのはお互いがどういう関係性にあるのか、である。比較し、包含関係について探ってみようと思う。 成因 ・PTSD …

よくある外傷でも本人にとっては唯一無二の痛み。

動機付け面接勉強会から帰って、次の日は外来でした。 昨日習ったことをすぐに使おうとすると大変で、価値観を掘るとか、一つのことに20分話を進めるというのは結構ハード。やっぱり動機付けの枠を作って練習したいな、と思う。 さて、今日はまた多い外傷系…

外傷的育ちと愛着障害

アダルトチルドレンや複雑性PTSDという呼称、診断名が盛り上がる中で、さらに最近一部の精神科医やカウンセラーに認知されてきている概念「外傷的育ち」についても少しまとめてみる。 外傷的育ち、というのは、崔が2016年に発表した書籍「メンタライゼーショ…

PTSDから複雑性PTSDへ

前の記事の続き。https://thepsyiscast.hatenablog.jp/entry/2019/01/04/201938 前回は男性社会でのPTSD概念の確立、その裏で女性社会における慢性的外傷について説明した。その後、複雑性PTSDという概念が提唱されるに至る経緯を述べる。 1980年にDSM III …

アダルトチルドレン まとめ

数記事に渡り、アダルトチルドレンについての周辺内容を書いてきたため、すこしまとめてみようと思う。 過去の記事については、”アダルトチルドレン“タグをクリックしていただければみることができます。 筆者の意見も所々混じるため、鵜呑みにはされません…

「可愛い子には旅をさせろ」=失敗させろ。

Kindle unlimitedに再入会して、大量の本を読もうとしている。980円だから、まぁ2ー3冊読めば元は取れるわけだけど、沢山読んでやろうと画策して、遊んでいる。 こういう月額課金系のサービスは、むかしからあまり入らないでいた。なんだか、結局読まなくて…

年の瀬はアダルトチルドレンの胃に穴があく

ひさびさに実家に帰ってきています。 昨日の麻雀明けから本当に最低限しか起き上がらず、自室に閉居しています。 大晦日。何も変わりません。 爆音で流れる紅白歌合戦によってコミュニケーションエラーを起こし、喧嘩しながらおせちを作る様子、多少の味の違…

低自尊心病

「自分は、自分で良い。」 そう思える人は、かなり幸せな人だなぁ、と、臨床をしていると思う。精神科患者は、自尊心を保てず、自己実現ができない人が多くを占めているのだ(ほぼ全てといっても良いかもしれない)。 特に「脳の病気」と言い切れないような…