Psyは投げられた

若手精神科医が有る事無い事色々つぶやきます。

精神医療

てんかんと解離

先日はとある抗てんかん薬メーカーの社内講演会に呼んでいただき、とても簡単なすらいどを作成しててんかんの事を話してきました。。 僕のような超若手の精神科医が、てんかんのことを話す、というのは、業界人からすると鼻で笑われるようなことかもな、と感…

いとしさと 眠たさと 布団ほしさと

最近眠さマックスの生活をしている。 7時半起床、朝準備して、8時過ぎに病院、8時半から8〜9時間ぶっ続け外来、担当患者の回診、書類、9時半帰宅、10時ー会議、11時半からジムに通って、1時半まで運動、2時半就寝 回診時なんて眠たくて仕方ない…

コスプレをしたい気持ちはどこから来るのか

患者にコスプレイヤーがいる。 コスプレをして、どう言った楽しみがあるの?と聞くと 「私可愛い、っていう系の人もいるだろうけど、違うな。私は、変われる気がするから、好き。」 その患者は、やはり自傷を繰り返し、いつでも「死にたい」と言っている外傷…

外傷とは見えない足枷のようで

このブログを自分のフェイスブックに投げるようになってから、「お陰で自己理解ができた」「自分もこの外傷的育ちってやつだと思う」と、コメントやメッセージをいただくことがあります。 自分の苦しみは、自分の力だけでは分からないことが多くて、自分を他…

眠れない日が増えているな、と感じるあなたへ。

今日は東京で勉強会でした。ペランパネルやらの話がメインで、ペランパネルは抗てんかん薬の中でも睡眠に非常に効力を示します。そういうわけで、今日は睡眠の話。 今日の論文: 睡眠のメタアナリシス。 Maurice M. Ohayon et al Meta-Analysis of Quantitat…

motiveのある聴衆には講義がしやすい

今日は若手精神科医の関西支部会において動機付け面接のさわりをレクチャーしてきました。 若手精神科医のなやみとして、精神療法をしっかりと学ぶ機会に乏しいことが挙げられます。 みっちりと先輩につくわけでもなく、陪席もなかなか難しい中で、周りの人…

思考するためのブログ

このブログも無意味に毎日更新して、だいたい50記事強になったようである。 始めた頃は、思考の垂れ流し、という意味合いのブログと考えていたが、しばらく続けてみるとそう言った側面だけではないようだ。ブログをはじめて よかったことを列記してみよう。 …

比較;PTSD 複雑性PTSD 外傷的育ち 愛着障害 アダルトチルドレン

これまで、最近の精神医学やその周辺で使われる「外傷性の精神障害」について簡単にまとめてきた。 これらの概念は一つ一つ大切なのだが、難しいのはお互いがどういう関係性にあるのか、である。比較し、包含関係について探ってみようと思う。 成因 ・PTSD …

今日の動機付け面接勉強会

3連休は動機付け面接の集中合宿だったわけですが、今日は動機付け面接の院内勉強会でした。 常連さんに集まっていただいたため、一人一人に動機付け面接を受ける体験、話す体験をして見てもらいました。 ぼくは この3日間で学んだ事を少しでも使おうと、「キ…

よくある外傷でも本人にとっては唯一無二の痛み。

動機付け面接勉強会から帰って、次の日は外来でした。 昨日習ったことをすぐに使おうとすると大変で、価値観を掘るとか、一つのことに20分話を進めるというのは結構ハード。やっぱり動機付けの枠を作って練習したいな、と思う。 さて、今日はまた多い外傷系…

動機付け面接合宿 2回目

3日間の集中合宿が終わりました。 精神療法一般、あるいはいろんな技術一般に言えるかもしれませんが 1技術の概要を知る 2技術を使ってみる 3自分とのギャップに戸惑う 4次第にその技法が体に慣れてくる 5再度勉強して技法を使ってみる 6新たな発見があり、…

動機づけ面接集中合宿 2日目

朝の時間通り進まないのがこの勉強会の良いところなのです。 ・広告代理店のひととか、少年院の人とか、思いもよらないところのお仕事のひとがききにきている。医者の狭いコミュニティに限られず、新鮮で楽しい。 ・同時にそういう人にどんなはなしを振れば…

動機付け面接集中合宿1日目

家から駅までは15分ほどの道のりなのですが、7時50分の電車に乗ろうとしてゆったり30分に出て歩きながら携帯を見ていると、42分発車が判明。シークレットブーツで疾走しました。足は7cm伸びても、ストロークがそう伸びるわけでなく、単純に動きがぎこちなく…

新年の診察

〜〜さん、どうぞ 「あぁこんにちは。先生」 こんにちは。明けましておめでとうございます 「おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。」 年末年始は、忙しかったですか? 「いやぁ、いつも通りで。食っちゃ寝でした」 どこか外に出てみたり…

新年明けましておめでとう精神科会

田舎の精神科病院で働くみんなの新年会です。 鴨鍋食ってます。 人生初めての彼女ができて浮かれてるやつを3人がいじる構図です。

外傷的育ちと愛着障害

アダルトチルドレンや複雑性PTSDという呼称、診断名が盛り上がる中で、さらに最近一部の精神科医やカウンセラーに認知されてきている概念「外傷的育ち」についても少しまとめてみる。 外傷的育ち、というのは、崔が2016年に発表した書籍「メンタライゼーショ…

PTSDから複雑性PTSDへ

前の記事の続き。https://thepsyiscast.hatenablog.jp/entry/2019/01/04/201938 前回は男性社会でのPTSD概念の確立、その裏で女性社会における慢性的外傷について説明した。その後、複雑性PTSDという概念が提唱されるに至る経緯を述べる。 1980年にDSM III …

目覚めて7分で外来

昨日は当直でした。 病院によって当直室は千差万別です。 お金のある単科病院の当直室なら ・ホテル並みのホスピタリティと部屋・シャンプーやrinseもいいものが付いていて・検食もめっちゃ美味しいらしい・コーヒーも飲み放題とか。 コンビニもあり。 お金…

診察中の自分の顔を見る方法

1週間に20時間以上一つの席に座って、外来をしていると言うのに、自分の外来をしている顔や反応、表情と言うのは全くみたことがない。そりゃそうだ。鏡張りの部屋なんて注意が逸れて診察に集中できないだろう。 今日は偶然にも、自分を診察中に、まさに今自…

でんきはじめ

今日は仕事始め。 仕事始めは8時半から2人外来をみて、9じから電気けいれん療法。 電気けいれん療法を1人でかけられるようになってから、少し自分の中で武器を得たような感じがしている。 統合失調症、うつ病などの難治例に対して効果を示すことの多い電気け…

アダルトチルドレン まとめ

数記事に渡り、アダルトチルドレンについての周辺内容を書いてきたため、すこしまとめてみようと思う。 過去の記事については、”アダルトチルドレン“タグをクリックしていただければみることができます。 筆者の意見も所々混じるため、鵜呑みにはされません…

社会の闇にとじこめられる患者たち

医療が必要ななかで、医療につながらず家で引きこもり続ける人たちがいる。一度医療につながっていたけど中断した人や、もともと「単なる引きこもりだ」として、医療の必要性を感じられていなかった人もいる。 2年前に勤めていた医院で精神科往診を定期的に…

年の瀬はアダルトチルドレンの胃に穴があく

ひさびさに実家に帰ってきています。 昨日の麻雀明けから本当に最低限しか起き上がらず、自室に閉居しています。 大晦日。何も変わりません。 爆音で流れる紅白歌合戦によってコミュニケーションエラーを起こし、喧嘩しながらおせちを作る様子、多少の味の違…

麻雀中

同窓会後の同級生麻雀中。 麻雀といえば徹夜でするものである。徹夜で生産性のないことを、と思う人もいるかもしれないが、徹マンはそうバカにできたものではない。 ・麻雀は、感情や衝動も確かにあるが、基本的にロジカルに考えるゲームであるため、いつも…

わらいの成分

年に一度、関西の最若手(がおおい)達がくりひろげる雑な総集型番組、オールザッツ漫才の日です。 この日だけはテレビを見ます。普段置物のテレビが火を吹きます。 毎年、この日のために取ってきた一発ネタ、あるいはその場で思いついた雑なネタを戦わせ合…

犯罪の裏の機能不全家庭

以前のポストでも書いたが、機能不全家庭における自尊心の低下はかなり強い疾病との関連性を持っているとかんじている。 ひと昔前なら、これを「分析的に」捉える、つまりフロイトなどから脈々と続く精神分析的手法を取って解釈するのが一般的だったかと思わ…

【マインドフルネス】歯に挟まったピーナツは、後回しにすることもできる。

数年前にふとかけた奥歯をそのままにしていると、ピーナツや細かいひき肉などが挟まる。いつも空いている空間が埋められると、そこを空気が通る感覚がなくなって、なんだか気持ちが悪い。だから舌で必死に取り出そうとするのだが、するとそればかりに集中し…

低自尊心病

「自分は、自分で良い。」 そう思える人は、かなり幸せな人だなぁ、と、臨床をしていると思う。精神科患者は、自尊心を保てず、自己実現ができない人が多くを占めているのだ(ほぼ全てといっても良いかもしれない)。 特に「脳の病気」と言い切れないような…