Psyは投げられた

若手精神科医が有る事無い事色々つぶやきます。

【マインドフルネス】Search inside yourselfでリーダーになるための準備を始めたョ【人生変わるかも】

ブログの更新が滞っていてすみません。

この休日2日間はGoogleが社内で始めたマインドフルネストレーニングカリキュラムである、Search Inside Yourself (SIY) プログラムに参加してきました。

 

2年前に現病院に赴任してから、マインドフルネスというものに出会い、その可能性を強く感じたのちに、しかしそれをシッカリと勉強したり深めたり実践したりするタイミングがなかったのでした。

禅の思想、マインドフルな云々カンヌン、一見すると宗教的な匂いもして、ちょっと近寄るのが怖いと思ってしまう人も多いマインドフルネスです。しかし、マインドフルネス自体には、そういった宗教色や洗脳などの問題は全くなく、ただ単純に「意識のセルフコントロール」「感情のセルフコントロール」を行い、自己の自動化された部分を再度意識の俎上にあげ、未来や過去の思考から一旦外れて「今ここにいる」ことに意識を向ける練習です。(マインドフルネスとそういった洗脳や宗教を交えているのも実際にあるのかもしれませんが。。。)

私たちは日常の行動を自動化してしまいます。食事が出れば勝手に箸が伸びたり、怒りが沸けばすぐに顔や発言に出たり。状況や感情、習慣によってオートに物事が進んでしまうモードになっています。自分の感情や状況と、行動の繋がりに意識を向けていないわけです。ボーッとしているようでも、頭の中には色々な思考が泡のように出ては消え、出ては消える。そのような状況に「気付いているか」という問いかけをマインドフルネスでは行うわけです。

しかし、そういった思考や感情は時間と共に消えたり、変わったりします。「私は怒っている」と怒っている状態=私のように考えがちですが、そうではなく、「私は今、怒りという感情を持っている」というのが正しい把握です。つまり、荒波のような怒りという感情に自分が乗せられている、でも自分はここで転覆しないようにどう波乗りをするか、と考えをメタに持っていく、これがマインドフルネスです。

こういった感情的な認知力を、emotional Intelligence(EI,EQ)ということもあります。マインドフルネスではEIを強く鍛えることができ、そしてこのEIこそがリーダーシップを磨いていくのに非常に大切な要素である、ということからGoogleで作られたプログラムが、このSIYというリーダーシッププログラムでした。

 

SIYは、マインドフルにすごし、自己認識、自己理解を深めながら、動機付け、共感力、リーダーシップをつけていく、という過程を2日間でみっちり行うプログラムです。9時5時で2日間過ごしますが、思ったより疲れませんでした。おそらくこれは自分の感覚や意識に目を向けるからでしょう。疲れとは主に自分のしたくないことや自分の体力に見合わないことを自動的に行う結果に起こる事で、自分に目を向けて無理をしないから疲れないのかな、などと感じていました。

 

2日間で、何十回も瞑想を繰り返しながら「今ここにいる」ことを理解していきます。時に嫌なことや「頭に血の上るような体験」を思い起こし、その感情が身体的な反応を起こすことを感じます。しかしそれはあくまで自分の一時的な感情であり、扁桃体に操られた反応であることを理解し、「怒りと自分を同値とせず、その怒りの波の上で自分を保つ」練習を行います。また、search inside yourselfであり、自分の価値観や自分のしたいことをシッカリと見つめ直す瞑想も行います。

 

 

この二日間で、自分が得た非常に大きなこと。それは、自分が気づきの中で使命感に燃えていること、そして過去と決別して今に生きようとしていることでした。

 

価値観を掘り下げ、自分がどういった人間になりたいかを書くジャーナリングの瞑想の中で、自分はここ最近感じていた「ダルダルと過ごして楽して生きていきたい」という気持ちでなく、「働くことのやり易さ、生きやすい働き方を推進していくような活動を、ミッションとして見つめていきたい」という気持ちをすらすらと書いていました。自分が、バリバリと人のために、力を使っていきたい、あぁそう考えていたのか、と考えたのでした。

日々の疲れの中で、このしんどさから逃れたい、それが自分の価値観だと勘違いして( 疲れている状態=自分=価値観)、だらだらした生活を送りたい、そんなふうに感じていたのだなと気づきました。自分の状態を自分とイコールで結んでしまっていた、 ということでしょう。

そして、それは今の臨床をただただ続けるだけのところに見ていない自分がいること、ポジティブ心理学などの観点からも健康な人をより健康に、健康な人を不健康にしないための精神医学の使い方を模索したい、ということにきづけたのでした。

 

今までは、しかしこういった気持ちを「きっと誰かに馬鹿にされる、否定されるに違いない」と考えて蓋をし続けていた自分がいました。そしてそういう思考に陥る原因を幼少期の苦しみに帰属させる自分がいました。

でも、「感情、思考はその時々の一時的なもので、 それが自分とイコールではない」「自分はそのネガティブな思考やできないという想いと同値ではない」という気づきを得ることで、己の感じたいがままを感じ、やりたいがままをすることについて、とてもポジティブに考えられていることに気が付きました。

過去のダメージを受けた自分は自分、しかし、その上に積み重なった今の自分を愛してあげること、セルフコンパッションの力にきづけたと感じます。

 

この二日間の学びをもとに今の環境、そしてこれからの自分の未来をマインドフルネスと共に耕していきたいと感じました。おわり。(おちはない)