Psyは投げられた

若手精神科医が有る事無い事色々つぶやきます。

motiveのある聴衆には講義がしやすい

今日は若手精神科医の関西支部会において動機付け面接のさわりをレクチャーしてきました。

 

若手精神科医のなやみとして、精神療法をしっかりと学ぶ機会に乏しいことが挙げられます。

みっちりと先輩につくわけでもなく、陪席もなかなか難しい中で、周りの人がどうやって診察をしているか、知る機会が少ないのが実は精神科の実情です。

そんななかで、少しでもエビデンスがあって余裕とじしんを持ってできる精神療法の手立てを知っておくことが大切ではないか、という思いから、若手精神科医の会で動機付け面接の小レクチャーを行いました。

 

 

今日の参加者はむしろ学生さんが多かったのですが、学生さんにこそ「聞いたことのない」面接技法だったようです。両価性の説明を行い、維持トークを聞き返す私たちの当たり前の会話様式を確認しました。その後、維持トークとチェンジトークの学習をし、聞き返しの練習をおこないました。語尾下げが意外に難しいことや、複雑な聞き返しがこうも難しいものか、という理解を広めることができ、来談者中心療法の一部を伝えることができたと思います。

 

この面接技法を学生の間に知ること、というのはとても大切な体験だと思います。OSCEのクソみたいな学習ビデオを見させられて、「こんな医者いたらいややろ」と思うこともありました。本当に患者に寄り添って話を聞くとはどんなことなのか、ということをかんがえる、良い機会になったと思います。

 

症例提示も、昨今話題の外傷的育ちの一例のようで、私の興味ど真ん中な感じでした。

 

プレゼン、ポスターも珠玉のネタからさらにブラッシュアップを噛ませていくためにコメントするのがとても刺激的で、プロの質問のレクチャーを受けられたのもしあわせでした。

 

 

医局にとらわれず、自分の憲さんのためにただただ貪欲に楽しめる若手精神科医の会は、やはり貴重な会だな、と思いました。