目覚めて7分で外来
昨日は当直でした。
病院によって当直室は千差万別です。
お金のある単科病院の当直室なら
・ホテル並みのホスピタリティと部屋・シャンプーやrinseもいいものが付いていて・検食もめっちゃ美味しいらしい・コーヒーも飲み放題とか。 コンビニもあり。
お金のない場末の精神科病院は
・窓際の南向きの部屋・野菜たっぷりの味噌汁と野菜のボールが付いた精進料理のような食事・ゴキブリの出る当直室・お湯の出ないシャワー・濡れたアカスリタオル 売店なし
大学病院は
・一年中夏布団のベッド・検食なし・シャンプーは誰かの寄付・タオルは持参 売店遠い
当院は
・夏布団?毛布はなし ・色彩のない検食 ・シャンプーrinseなし・タオルあり、手術着の寝間着あり 売店9時まで・牢屋のような当直室・窓のない漆黒の闇
何よりどうかと思うのは、窓のない闇。電気をけせば全く何も見えない。周囲はほかの当直室と、廊下にかこまれている。換気扇からの明かりもなく、完全なる闇。足元も見えないので、むやみに動かすとロッカーを蹴って大きな金属音がなる。
僕は朝目覚ましをかけない人間である。かけなくても起きられるし、かけて中途半端に起こされることが嫌な人間だ。窓の光で大体の時間がわかり、目が勝手に覚めるのだ。
しかし、この漆黒のなかでは、全く時間感覚がずれる。古い研究に、人間が全く日光の入らない部屋で生活すると、1日が25時間になるというものがあるが、それが実感できる。
今日は、7時半ごろにおきたつもりでいたら、PHSは8時23分を指していた。まさに一時間遅れ、8時半から48枠連続の外来があるというのに!
あぁまずいと思いながら、漆黒の闇のなかをかきわける。電気のスイッチまで膝、右肘、指先の3回を暗闇でぶつけた。明るくなった部屋には、脱ぎ捨てたズボンと、次の日に履くつもりだった靴下が散らばっている。あぁ、そうか今手探りで進むなかで落としたのか。あれ、携帯はどこに置いたっけ、アイパッドはどこだ?
あーんもう、とりあえず白衣を着て外来にダッシュ!おっと歯ブラシを持っていかないと、外来の水道で磨いたら良いだろう。朝ごはんの検食?パスパス!と、曲がり角で転校生にぶつかるパンを加えた女子高生さながらのドタバタぶりで当直室を出る。
29分に外来に到着。30分に患者を招き入れる。
年末年始どうでした?あらそう。元気でしたか。へぇ。(眠い)それは良かった、可愛いお孫さんに会えたんですね(頭回らない)お薬はいかがですか?飲めてる。最近気になることは?(眠いことです)そうですか。ほなら今年も一緒に頑張りましょうね。おやす。。。じゃなくて、お大事に。
出会って5秒で合体はあり得ないと感じるが、目覚めて7分で外来、は、あります。