Psyは投げられた

若手精神科医が有る事無い事色々つぶやきます。

人生で成長し続けるためにすべきこと

成長

 若い頃から何度も「成長」を必要としてきた私たち。

 大人になってからも「成長」を求められる。

 しかし、成長って、どうやってしているんだろう。何をどうするのが成長に効率的なのだろう。よくある疑問である。

 

 自分が成長を意識したのは、一番はやはり高校生時代の受験勉強だろう。あの時は、いまおもえば勉強のアスリートであった。最盛期は京大オープン模試というので全国6番まで取ったことがある。過去の栄光だからもうすこし自慢させてもらうと、僕より上の5人は同級生で、全員東大に行ったため、事実上一位だったのだ。その時点では。そういえばその時は、模試の日を目指して、日々自分がどこを克服するか、そして模試でどれだけ点数を出すか、ワクワクしながら立ち向かっていた。しかし、失敗を極度に怖がる人間のため、本番には大緊張して、落ちるギリギリの成績でなんとか合格という滑り込みセーフを決める。それでもあの時のアスリート感は、自分でもまだ再体験できていない、「成長とパワーを感じた」頃だった。

 

 しかし、今の仕事は、模試があるわけでもなければ、大きな評価が起きるコンテストがあるわけでもない。成長を定式化しにくい状況にある。そんな中で、読んでいるのが下記の本である。

 

PEAK PERFORMANCE 最強の成長術

PEAK PERFORMANCE 最強の成長術

 

 

 

 

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 一流のアスリートは、「ハードなトレーニングをする日」と「緩やかにする日」を交互にとる。素晴らしいランナーは、ハードなトレーニングを行うと、かならず休息する日をとる。フローの概念を提唱したミハイ・チクセントミハイも、「没頭」「休息」「閃き」の3フェイズを偉大な知識人や創造性豊かな人間は繰り返すという。

僕たちが受験勉強をした時もそうだった。定期考査に向けた勉強でもそう。ある時間、必死に暗記に勤しんだら、しっかりと寝て休息し、朝起きて、ぼーっとしてたら頭にいろんなひらめきが浮かんでくる。徹夜してテストに挑むと大体ダメで、しっかりと寝て休息した方が頭への定着が良い。

 

成長によい「フロー」に入るためには、自分が「手に届くかわからない、すこしチャレンジングな課題」を行うのが良いとされる。簡単すぎると「失敗したらどうしよう」という不安に苛まれ、チャレンジ度合いが少なすぎると気が緩んでしまう。comfort zoneにある訓練は成長には向かず、堕落させる。

 

成長に必要な練習、という点ではどうだろうか。「世の中1万時間行えば、何でもプロになれる」という謳い文句があるが、これはすこし問題である。同じ週五十時間の楽器の練習時間でも、意図的な目標を持った練習を行う人間と、そうでない人間では大きく成果に差が出る。漫然とした行動ではなくて、常に目的意識を持った練習、課題を行う方が良い。目標行動をストレートに行えるようにするため、スマホや注意をそらすものは全てオフにする。そして、こまめな休憩がさらにその効率を上げる。50分〜75分の仕事ののち、5〜20分の休憩をとる、というペースが、生産性を一番上げるデータがある(私たちの外来や手術もそういうペース配分にした方が良いかも?)。手に届くかわからない、すこしチャレンジングな課題を目にした時、それを悪い意味のストレスと感じるか、あるいは自分をワクワクさせるものか、と感じるかで、大きく体の反応は変わる。同じミルクシェイクを与えても、ヘルシーなミルクシェイクだ、と言って渡すのと、カロリー爆弾のようなミルクシェイクだ、と言って渡すのでは、その後のホルモン分泌までかわることが知られている。いかに困難が「ワクワクするものか」自分に言い聞かせられるかが重要な観点である。

 

続きはまた今度。