Psyは投げられた

若手精神科医が有る事無い事色々つぶやきます。

学生をしばりつける大学は民営化しろ。

学生時代のアルバイト先の忘年会にOBとして呼ばれて参加してきた。

 

塾業界で、お家騒動のような問題があったため、母体は変わり、給料の云々はありそうだが、学生のコミットの仕方は変わりなさそうで、みんな学業との両立をしたり、学業を疎かにしたりと、まぁ、相変わらずだなぁ、という印象だった。

 

自分が教えた生徒が、次の代を指導し、自身の後輩になり、そしてその後輩たちを指導していく、という構図は、単純に自分の後輩が同じような道を歩んでいくという嬉しさが少しある反面、その団体がホモジニアスになりすぎないかは、どこかで心配に感じるものだ。

 

どのような団体、NPOであれ、塾業界であれ、あるいは違ったアルバイト形態、例えば飲食店などであれ、社会の需要に合わせて常に提供するものを変化させなければならない。それは、顧客に対してもそうだし、職員や従業員に対しても、である。塾業界はわかりやすく、試験の潮流が変化すれば、当然その傾向に合わせた授業を展開しなければならない。しかし、その雇用している職員も、正社員ばかりでなければ、そのメインの分野に気を使わなければならない。学生を雇う場合は、それが顕著である。

 

ある医学生は、「大学の締め付けがくるしくなり、アルバイトをするには月金全て6時まで授業でうめられているから、土曜しか入れないのです」という。それならば、そういった大学生を雇用する会社は土曜に枠を空ける努力をしながら、それでも雇用が続くように工夫をしていかなければならない。大学生と言えども、やはり全てを自身の判断で決定しきれず、周囲や上司に流されて、負荷がかかるとわかっていてもそれを受け入れてしまい、本業を疎かにしてしまうこともある。自己責任、と高をくくらず、本業の優先を雇用に組み込んだ編成をしないと、先は短いだろう。おそらくそのような「パワハラ」は僕の卒業会社にはないと信じている。

 

しかし、この学生の話を聞いて、私は大学側に強く憤りを感じた。遠方からの苦学生、例えば仕送りも期待できず、奨学金ももらえなかった学生の場合、生活を支えるのはアルバイトである。しかし、土曜しかはたらけない、という状況になれば、どれほど割りの良いアルバイトでも生活を維持できないかもしれない。文化的生活を営み教養や人間関係を育む課外活動も送れなくなる。結果深夜シフトを入れるしかなくて、本業に影響を与えたり、あるいはより高収入な問題が出やすい裏稼業にシフトする学生すらいるかもしれない。

 

裏稼業ハローワーク

裏稼業ハローワーク

 

 

この背景には、医業が特殊であるという驕り、教員や職員たちが当然のように長時間の時間外労働をしているため、学生もそれに付き合ってなんぼ、という屈折したあるのだろう。親が中流階級以上の学生のみがいると考え、学業を維持するための学業以外の時間を考慮しない愚策である。真に嘆かわしい医学部教育である。あるいは、より潤沢な補助金制度を用意しなければならない。それが学ばせる側の義務である。鼻高々にroyal dutyのような矮小な思いを持ってはいけない。学生が勉強しない、学生が情けない、というなら、テストを難しくすれば良いし、もっと能動的に学べるようなカリキュラムを組むべきである。教員に負担を強いろ。学生に負担を強いるな。そして時間外給料を教員に出して、大学での勤務条件をよくしろ。その程度のことができないのならば、民営化してしまえ。ゴーンに大学運営させろ。その方が200倍マシだ。