Psyは投げられた

若手精神科医が有る事無い事色々つぶやきます。

妄想が出ればブログが開設される

題名は、直接的な考え方をすると、「妄想を呈した人がブログに自身の妄想をかいている」というような意味に取られるだろうが、今回はちょっと違う。自分のブログ開設について、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な説明をしたかっただけだ。

 

 

このブログができたのは、元はと言えば精神病状態のおばあちゃんが救急に運ばれてきたことに由来する。

 

70歳代、元来夫のことまで全部するようなバリバリ動けるおばあちゃん。ある日急に活動力が低下し、家の端に座り込んだり、耳を塞いだり、じきに誰かと話すような独語、妄想が増えてきた。いろんなお医者さんでなんだろうねぇ。と言われながら当院にたどり着き、うーん、高齢発症の統合失調症かな?認知症かな?というところで入院したわけだ。

 

あたまの画像をとっても、あんまり認知症らしい典型的な血流低下に乏しくて、うーん、統合失調症なのかなぁ、でも薬効かないね、なんていうので、74歳に電気けいれん療法をしたのだ。

 

そしたらかなり稀な肺水腫という合併症を起こして、いっぺん酸素落ちてやばい!となったんです。でももちなおして、いろんな工夫をして電気をかけて元気になりました、と。

 

この症例を学会発表しよう、となって、おぉそれならうちのプリンターくさってるし、これを機に論文読むためのiPadを新調達しよう、と考える。

 

しかし、憎っくきヨド●シカメラ。お取り寄せに4週間かかり、実際にはipadが届いたのは学会終了後2週間。

もったいないからこのまな板と風呂桶の板を創作的な活動に(アップルの思惑通りに)使ってやろう、と思ったわけである。

 

絵の才能はないし、DTMもまだつたない。ではとりあえず文筆でiPadちゃんに役割を持たせてやろう、なんて思って、ブログを始め直したわけだ。

 

そのおばあちゃんの日に自分が時間外当番じゃなければ、このiPadで文章をまた書いていることにはならないだろう、なんて考えると、とても感慨深い。

僕がこのブログでバズって人気ブロガーになって、なんなら精神科医をやめて文筆家になったら、このおばあちゃんには感謝の印として書籍化されたブログ本を5冊くらいサイン入りで進呈しよう。

ブログでアフィリエイト収入が増えて本業を超えたら僕はもっと自由に世界を歩こう。そしてハワイのバカンスホテルでピニャコラーダをチュゥチュゥ吸いながら、麦わら帽子とサングラスで入らないプールサイドに寝そべりながら、ブログを更新し続けよう。

ゆくゆくは人気精神科医ブロガーが面談してくれるオンラインサロンを作って暴利を貪ろう!

 

と、ありもしない妄想を広げてしまう私なのだ。

 

 

 

 

あれ?

「妄想を呈した人がブログに自身の妄想をかいている」という意味にもなってしまった。

まぁいいや。