Psyは投げられた

若手精神科医が有る事無い事色々つぶやきます。

統合失調症を理解する本、漫画

地域のヘルパー向けに行う統合失調症のスライドを作成している。

こういう場合、例年は卯月妙子の「人間仮免中」や松本ハウスの「統合失調症がやってきた」を紹介することが多かったが、今回は別のものもないかと思って探してみると、あぁこれは良いというものをみつけた。

 

disability-culture.jp

 

美術系の大学に進学し、その過程で病気と闘いながら卒業した木村きこりさんの作品。

何かチャレンジしようとしても幻聴に否定され、それに打ち勝とうとする筆者

病気についてカミングアウトしながらも、受け入れてくれないバイト先

しかし、「一定数はそういう人がいる」と納得してそれに打ち勝ち、自分の体験を絵画にしようと奮闘する姿。

疾患を抱えながらも前進しようとする姿が、非常に端的に示されていて、とても心に響いた。

精神科医としていつも見ているはずなのに、こういう作品には特に気持ちが揺さぶられる。

 

特にこの作家の作品は、「必要以上の言葉がすくない」点もすっと入って来やすい理由となっている。

 

講義なんてやめて、みんなでこれを読もうかな。